総合討論(16)
橋本 今のことに関連して、実は偏食についてのご質問も幾つかあります。もちろん、幼児期で非常に過敏さが強くて、食事に関しての好き嫌いですね。においもそうですし、もう見た目でだめという人たちも多いかなと思います。それをもって発達障害ですとか、病気だとかいうことではありませんし、今のご質問にもあったとおり、自閉症スペクトラムという診断がついたねというようなお子さんもいるわけです。だから、偏食が多いからといって障害とは結びつけられないケースも少なくありません。
要は、対応の問題です。やはり食事を好きになってもらわなくてはいけないということが一番ですから、無理やり食べなくてはいけないという対応をなさっている保育所や幼稚園はもうないと思いますが、ただ一方で、過敏さというのは、これまた先ほどちょっとご紹介したとおり、放置しますと増幅していく場合もあります。ですから、我慢をさせ過ぎると子どもにとっては負担ですし、食事が嫌な場面になりますが、じゃあ一切、好きなものだけでいいよ、食べなくていいよとなると、食べられるものがどんどんと限られていくという場合も多いですね。したがって、この感覚過敏に関しては、お二人のドクターを前にしてあれですが、特効薬はないわけでして、ちょっとずつ、いろんなにおい、いろんな見た目、いろんな味に関して慣れさせていくしかないです。