乳幼児健診における「育てにくさ」への対応(4)
これは、三鷹市で行われた心理相談の内容です。この1歳半健診のときは言葉の問題が最も多い相談になっています。その次に多いのが養育者の問題です。3歳児健診になりますと、心理相談で多くなっているのが、言葉の問題もありますが、行動・性格の問題が増えてきます。それから、養育者の問題、家庭環境の問題というのも出てきています。
これは、同じ集団を追ったもので、1歳半健診をうけた子どもたちが3歳になったときの心理相談を見たものです。1歳半のときに言葉の問題が多かったのが、3歳になると、行動の問題に変化してきています。
子どもには変化がありますが、親、養育者の問題というところは山が同じであることから、親の問題は変わっていないというのがわかります。
そこで、先ほど前川先生がお話しになりましたが、「育てにくさ」の要因というのは、子どもの問題、親の問題、子どもと親の関係性の問題、そして、それを取り巻く問題、1つであったり複数組み合わさったりしています。
子どもの問題は、乳幼児健診を受けた後に保健センターでフォローグループというのがあり、半年なり1年なりグループで経過観察をされています。そして、経過観察後に必要に応じてお子さんたちは、療育センター、発達センターなどで療育が開始されます。1歳半・3歳児健診を問題なく通過した子どもたちの中に、保育士の先生、それから幼稚園の先生が大変勉強されていることから、保育園、幼稚園の集団の中で気になる子が発見され、保健センターや療育センター、療育施設に紹介されてくるお子さんたちが増えてきています。