⒌ 対応
発達障害や精神疾患の養育者に育てられている子どもは、子どもの出すサインに親が適切に対応できませんので、親以外の人が保育園や幼稚園などで育てる必要があります。要支援家庭の親は、それぞれの要因に従って支援する必要がありますので、ここでは述べません。本日ここで述べるのは、親がスマホや携帯の時代に育ち、子どもとどうかかわったらよいか、どう遊んだらよいかわからない育てにくさを感じており、子どもたちは、ふれあいが不十分で、発達障害類似の症状を呈している親子の対応についてであります。
保育園や幼稚園などで職員全員が意識して、該当する子どものサインに応えるようにします。こうしますと、いわゆる生き生きした、元気な、健常な子どもの状態になります。子どもがこういう状態になったときに、この様子を保護者に見せます。「こんなに元気になってこんなことをしている」など話します。自分の子どもの笑顔や楽しそうな様子は、親の心を和ませ、何かしてあげたい気持ちを起こさせます。親の心が動いたら、子どもにどうかかわってよいかをやって見せて、言って聞かせて、させてみて、褒めてやって、だんだん親のかかわり方を教えていくわけです。そして最終的には、「子どもが喜ぶこと」を親がしてあげる、それを親が自分自身の喜びとするようにします。こうなると親子関係はすばらしいものとなります。
乳幼児を育てるのは親や養育者であります。親を肯定的に受容(丸ごと受容)して、子育てに喜びや楽しさを与えるような親育てを、育てにくさを感じている親に行おうではありませんか。
以上、簡単ですが、乳幼児における「育てにくさ」のまとめです。何か質問がありますか、ございませんようですので、次の講演に移らせていただきます。
次は、「乳幼児健診における『育てにくさ』への対応」ということで、秋山千枝子先生にお話をいただきます。
先生は、私と同じ小児科医です。乳幼児健診は90%前後の乳幼児が受診します。乳幼児健診の場において、親が感じている乳幼児の育てにくさをいかに対応し、支援に結びつけるかについて講演をいただきます。先生は、子どもの健全育成に関する小児保健の分野で幅広い活動をなされております。現代的に、いかにこの問題に取り組むか、先生の講演を楽しみにしております。
それでは、先生、よろしくお願いします。