乳幼児健診における「育てにくさ」への対応(6)
子どもたちは、いろいろなところで見守られています。家庭、保育園、学校、児童館、塾で、この子はこういう子かな、ああいう子かなというふうに気づかれています。ただし、一番最初に気づいているのはやはりお母さんだということがわかりました。発達障害を持っているお子さんの保護者に「いつごろ気づきましたか」と聞いたところ、精神遅滞、知的な遅れがあるお子さんたちは、大体3歳ごろ、それから自閉傾向のあるお子さんたちは、お母さんは1歳ごろから何となく気づいています。
では、誰が最初に気づいたのかというと、やはりどの疾患もお母さんが最初に気づいています。もちろんお母さんは、発達障害かどうか、そこまでは気づいていませんが、離乳食を食べてくれないとか、けんかばっかりして何だろうとか、「育てにくさ」を親は気づいています。
これは、発達障害のお子さんを持つ保護者に、「小さいときどんなことがありましたか」「何か育てにくいことはありませんでしたか」と質問をした結果ですけれども、もう既に1カ月のときから、抱きづらいとか、泣きやまないとか、あるいは、運動発達でお座りができないとかいうのがあります。
昨年、乳幼児健診で「発達障害を育てにくいと感じていますか」という質問をしたときに、6カ月、9カ月よりも1歳半健診のときに増えてきます。子どもたちは大きくなればなるほど、この育てにくさ、子育ての困難感が増してくるようです。
「どんなふうに育てにくいですか」と聞くと、よく泣く、離乳食を食べないというのが出てきます。これは、子どもたちによく生じる子育て相談ですが、これを私たちは、これは子どもの問題なのか、親に問題があるのか、親子両方の問題なのか、環境の問題なのかを、相談を受けながら区別していく必要があります。