⒉「育てにくさ」の要因

「育てにくさ」の要因のアプローチとして、気質のタイプよりのアプローチと、発達障害あるいは発達障害類似の子どもたちが呈する症状よりのアプローチがあります。

「育てにくさ」の英訳は“difficult child”です。アメリカの児童精神科医Alexander ThomasとStella Chess夫妻の乳幼児の行動カテゴリーには、手のかからない子ども(easy child)、手のかかる子ども(difficultchild)、時間のかかる子ども(slow-to-warm up child)があります。

育てにくい子(difficult child)は手のかからない子どもの逆で、生理的機能の周期は不規則で、反応を強くあらわし、初めての事態では消極的で尻込みしやすく環境の変化にも慣れにくく、機嫌の悪いことが多く、約10%の子どもがこのタイプに属すとされています。このタイプの子どもには、子どもの世話やしつけをしていく上で、親により忍耐と一貫性が要求されると考えられます。いわゆる「育てにくい子」なのです。育てにくさに対する気質よりのアプローチは現在、殆ど行われておりません。