総合討論(27)

それから、お子さんのこと自体について幾つかご質問がありました。「情緒不安定で非常にパニックを起こしたり、荒れたりするお子さんへの対応はどうしたらいいか。そういうお子さんに対して寄り添っていきたい。コツみたいなものは」ということですが、感情のコントロールが難しくて、どうしても常にハイテンションになっているお子さんもいらっしゃいます。場合によっては、ADHDですとか、自閉症スペクトラムという診断がついていくようなお子さんも多いわけですけれども、そういうハイテンションの状態とか情緒不安定な状態の場面が多ければ多いほど、実はそういう行動はどんどんヒートアップするんですね。だから、なるべく安定した状況、環境にいていただくことのほうがいいわけです。

例えば、その子が好きだから、怪獣ごっこをいっぱいやってあげると満足するから、じゃあいっぱいやってあげようというと、怪獣ごっこをやることでどんどんヒートアップして、その後の給食の時間も午睡の時間もだめなんていうことは、よくあることです。それから、褒めてあげるとすごくいいというので、先生方から、またお父さんも、上手にできたときは、「上手だったな! わあー」と言ってハイテンションで褒めてしまうと、本人もヒートアップして、その後も引きずるなんてことがあるわけです。

実は、感情のコントロールがうまくできないお子さんたちへの対応として、まずは安定して静かに何かやるような環境をつくったり、こちら側の対応も、感情を込めて怒ったり、褒めたりというよりは、わりと淡々と「オッケー、マル」というような感じで、感情を込めることだけが子どもたちにとっていいかというと、そうではなくて、冷静な対応や冷静なかかわり方をしてあげることも、実は情緒が安定していくなんてお子さんも見受けられます。その辺は個人差もありますので、寄り添い方、そういった工夫も必要かなと思います。