乳幼児健診における「育てにくさ」への対応(3)

ハイハイの練習

ずりばいをしない赤ちゃんには、「おもちゃを斜め前に置いて誘ってみると、ずりばいの練習になりますよ」とか、あるいは、ずりばいはできてもハイハイしない赤ちゃんには、「こういうふうに膝の上からおろしていくと、ハイハイの練習になりますよ」と話をします。

忙しいときにはクッションのところを登ったりおりたり。お母さんが喜ばれるのは、「お父さんのおなかの上を登ったりおりたりして遊んでもらったらいいわよ」という話です。いつもこの時期は、お父さんは子育てになかなか参加できないときですので、「お父さんにやってもらって」と言うと、ちょっとお母さんは喜んで帰られます。

それから、右足を立てるハイハイも、別に足にまひがあるわけではなくて、変形四つばいと私は言っていますが、「全然問題ありませんよ」というふうに言いますし、ずりばいとかハイハイしないで、お尻でいざって動く子、いざりっこで、いざりのお子さんも歩行には問題ないですよという話をしています。

これは、私の健診に来られたお子さんたちの保護者に、津守・稲毛式乳幼児精神発達質問紙というものに答えてもらったものですが、6、7カ月健診の運動のところを見ていただいてもいいでしょうか。全く寝返りもしない子から、6カ月のときにもうつかまり立ちができるお子さんがいます。

それから、下のほうに9・10カ月健診があります。このときも、運動発達のばらつきが多いのがわかります。まだずりばいしないお子さんから、もう歩いているお子さんもいます。それが1歳半健診になりますと、運動のところが大体そろってきます。みんな歩いているということになります。

この運動発達のばらつきが大きいことで、運動発達の個人差か、障害かの区別が難しいのではないかと思います。

1歳半健診のときに、この子どもたちは全員歩行ができたのですが、気をつけていただきたいのが、言語と食事で、ばらつきが出ています。運動発達はそろっても、その後に、食事や言語のところでばらつきが出ているのを、この後、注意して見ていく必要があると思います。

津守式プロフィール(6,7ヶ月、9,10ヶ月、1歳半健診)