成長とは

子どもの成長という言葉とともによく聞く言葉に、「発達」と「発育」があります。似ていますが、少し意味が違います。「成長」は身長や体重のような体の大きさの伸びを表します。一方「発達」は歩けるようになったり、言葉がしゃべれるようになったり、身体的さらに神経精神的な機能の伸びを表します。「発育」は「成長」と「発達」を合わせて総合的に評価する言葉です。

子どもの成長は大まかに、3つの時期に分けることができます。出生後から幼稚園にはいるころまでの幼児期は、ヒトの出生後もっとも急速に体が大きくなる時期です。生まれたての赤ちゃんの身長は50㎝程度ですが、4歳にはその二倍の100㎝程度に伸びます。この後、男女で少し異なりますが、小学校高学年にいたるまでは身長は一年に5~7㎝ずつなだらかに伸びていきます。引き続いて思春期が始まると幼児期ほどではありませんが身長や体重は急速に伸び始めます。

各時期の成長に重要な役割をもつホルモンもそれぞれ異なります。乳幼児の成長に重要なホルモンは甲状腺ホルモンと言われていますし、学童期の成長に影響を与えているのは成長ホルモンです。一方思春期の急速な成長は男性ホルモン、女性ホルモンといった性ホルモンによってもたらされます。成長ホルモンは名前から成長に関わることで有名ですが、他のホルモンも成長に関係していることがわかります。

このような特性を持つ成長ですが、ある時点の計測だけで評価できるものではありません。例えば3歳の子どもがその時点で平均身長と体重だったとしても、それ以前に平均身長や体重よりすごく大きい子どもであったのなら、成長に問題があるのかも知れません。このように、身長や体重といった成長は点ではなく年齢とともに変化していく線として評価しなくてはならないのです。この評価に大きな力を発揮するのが、成長曲線です。