保育所・幼稚園における「育てにくさ」への対応(5)
直接その子に対しての対応も大事ですが、周りの子たちに対しての説明とか対応も非常に重要だということです。これは学童保育所のほうでは、説明しているものがなかなか少ないというのが出ているわけです。
ご家族に関しては、現状をきちっと伝えるというのが8割です。でも、現状を伝えるだけで、実はどういうふうにしていきましょうねというところまでは進んでいないというのが、実際、学童保育所でも回答が返ってきています。
友達と遊ばないというお子さんに対してはどうしますかというと、遊びに誘う、声かけをするというのが43%ですから、半分以下の先生しか声をかけない。ひとり遊びしているぐらいのことというのは、特に迷惑をかけているわけではないからいいんじゃないかというふうに考えている先生もいらっしゃるわけです。先生方はどういうふうにお考えになりますか? なかなか難しいところですよね。ひとりで遊ぶことも尊重していってあげたいということもありますしね。周りのお子さんたちに対しては、こういったひとり遊びばかりしているお子さんに関しては、ほとんど説明しないという回答です。家族とのご相談も、現状、機会があったら伝えるというのが6割で、特に積極的には動いていないですね。
つまり、何を言いたいかというと、周りに対して迷惑だとか、周りが困っているという状況だと、先生方はワッと動いてくださるのですけど、そうでない、ちょっと気になるなというぐらいだとあまりアクションがないというのも、現状としてはあります。
保育所や幼稚園での巡回発達相談で挙げられるお子さんの気になるところというのは、ベスト3が、コミュニケーションの問題、言葉の遅れの問題、それから情緒不安定の問題が言われています。多くの場合は、先ほど秋山先生からもお話がありましたが、「保育園ではこういうのがありますよ」ですけど、おうちではあまり見られないから、親御さんにとっては気にならないというようなこともあるわけです。