総合討論(1)

前川 お待ちどうさまでした。

質問の数が多く来ていますので、質問用紙を僕のわかること、わからないこと、その他の先生が判ることで、先生方に配布してありますので、順番に答えさせていただきます。

まず、質問で多かったのは、乳幼児健診で異常なかったけど今は問題があるという多数の質問がありました。

乳幼児健診というのは、より分け検査で、診断するのではありません。最初の健診で異常がない、その後も健常なのが真の陰性者true negative, 後で異常があるのがみかけ上の陰性者false negative, 最初異常だと思っていたのが、その後も異常なものを真の陽性者truepositive, 最初異常で、後で正常となるものをみかけ上の陽性者 false positiveと呼んでいます。健診で異常がないと言われても、必ずしも異常がないというわけではないのです。当然、あるパーセントでの見過ごしとか、そのときには気がつかないことがあるのです。特に発達障害とか、行動に関することは、後で気がつくことがたくさんあります。

もう一つの問題は、健診にかける時間が短か過ぎるのと、医師の経験と能力にもよります。だから、一概に健診といっても、経験のある先生が診ているときと、ただ来て見ている人とでは、それは精度がまるっきり違います。それが今の健診の問題です。

秋山先生、実際おやりになっていてどうですか。