総合討論(14)

ここに、さらに難しい質問が来ています。「携帯やスマホ時代に育てられ、保護者がどうスキンシップしてよいかわからないとありましたが、過去には、テレビゲーム、テレビの普及、ゲームセンターなどのいろんな保護者の質の低下は問題にならなかったのでしょうか。文明の発達と隣り合わせだと思います。だとしたら、昔の保護者はこの問題をどう捉えていたのでしょうか」。

私は82歳で80年しか生きていないので、昔はどう考えていたかというのはちょっとわかりかねますけど、子どもは人と人とのふれあいによって育つというように、生身のふれあいの機会が減少していることです。文明が進歩して、ふれあわなくても生活ができるようになっちゃったというのが問題なのです。なるべくふれあって、子どもと遊んだり、子どもの好きなことを一緒にしましょう、というのが一つの手段のような気がします。

それから、「核家族とか一人っ子で育てられている環境の中では、保護者の経験不足はある程度仕方がないと思うのですけど、問題だと考えられます」との質問です。

結局、子どもを産んだからといってすぐ親になるわけではないのです。周りが親になるように一緒に育ててあげないといけないのです。それ抜きにして経験不足だ、親が悪いというのは間違いです。共同養育の制度がなくなり、ふれあいの機会が減少すれば子どもの質も低下しますし、いろんな問題が出てくるのだと思います。日本の子どもたちの危機とも言えるのです。これは社会全体で考えなければいけない問題です。そのことに関してどうですか。これでいいですか。