保育所・幼稚園における「育てにくさ」への対応(3)

これが実は今日の、育てにくいと言われるようなお子さんたちがいた場合に、保育者である先生方がどうするかということの、お仕事といいますか、そういうことなのだと思います。直接的な対応だけではないですよね。いろんなお子さんたち全体の中での保育もありますのでね。保育所・幼稚園における育てにくさについての対応というのを、私のほうからご紹介したいと思います。

レジュメにもありますが、やはり保育する上で個別的な援助が必要なお子さんが、実際は非常に増えています。これは、診断があるとか、ないとかに関係なく、特にもともとその子の生まれつきの問題だなということでもなく、こういったお子さんたちが増えていることが指摘されています。集団活動に参加できない、活動や遊びについていけない、コミュニケーションに支援が必要、自己肯定感が著しく低い、情緒不安定、保護者や家庭や養育状況に問題を抱えている。

ここにも書きましたが、原因とか理由は1つではないんです。いろんな多様性があります。ですから、単純にこの子を、障害だよね、病気だよね、家庭の問題だよね、と言えないところが今は多くなっていると言われています。

保育所に通っているお子さんたちは、ほぼ、8割、9割のお子さんたちが小学校の学童保育に通うんですが、その小学校の学童保育に通っているお子さんたちを対象に、指導員、職員の方に、要支援と言われる支援が必要なお子さん、障害のあるお子さんについていろいろアンケート調査をとりました。これは2012年です。154名のお子さんで、どんなお子さんですかと聞きますと、ここに書いてあるような項目が多いですと。周りを気にしない言動、感情コントロールが弱い、友達とすぐにけんかする、友達にすぐに手や足を出す、すぐに暴言を吐く。幼児期とはちょっと違う、もうちょっとエネルギッシュになっていますので、そういうこともやっているかなと。

学童保育施設で要支援/障害児(小1-3)(154名)の気になる行動&職員の困り感(2012)