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座談会「子どもの心を育てる」

前川精神疾患の保護者が外来に来ていたのですが、私も扱いに困ってしまって、ある専門家に紹介したのです。そしたら、精神疾患のため子どもとうまく接しられない養育不全(マルトリートメント)で虐待の一種だと言ったのです。そうしたら親はものすごく怒ってそれどころじゃなくなってしまいました。虐待と聞いただけで、説明も耳に入らないのです。

それから、普通の親でしたら、子どもがダメなときに、保育園でみんなで可愛がって、ふれあうと、子どもらしく元気になりますよね。それを見て親が変わりますか。

水岡保護者の方ですか。

前川ええ。それを見て親が、わあ、かわいいと思って同じようなことをして、子どもがもとに戻りますかね。ちょっと甘い?

水岡難しいですねえ(笑)。

前川その方法は園ではあまり効果がないのですね。

水岡保育園で見せる親の顔と家庭での顔とすごく違います。職員の前ではとても穏やかなんですけれども、人が見ていないところで感情的になってしまう。子どもも保育園ではいいけれども、お母さんとの関係がうまくいかない。お母さんも家庭では、感情的になって子どもとうまくかかわれない。そういう方には、保育園で親子のかかわり方を伝えるというのがすごく難しいなと思っています。

前川このような保護者に対しては地域の専門機関やNPO等と連携して対応する特別なシステムが必要ではないでしょうか。

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