前川今日は、皆様にいろいろなご意見、ご提言をいただきました。直ちにこれが役に立つこともあれば、役に立たないこともあると思いますけれども、少なくともこの座談会の記事を読まれた方は、日本の子どもの現状がこうだということをお知りいただいて、自分たちができることを少しでもやって、そうならないように努力していけたらいいなと思います。
私は一番最初に、人類の歴史と脳の発達ということを話しましたけれども、これがこの座談会にどの程度役に立っているか。あまり関係がないような気もしますけれども、やはり人間の本来というのはそういうふうにできているということを知っておいてほしいのです。それを外れると子どもが育たないということで、役に立っていただければと思います。
長時間、ありがとうございます。これをもちまして、座談会を終わりたいと思います。
講師紹介
- 前川 喜平(まえかわ きへい)
- 東京慈恵会医科大学名誉教授、神奈川県立保健福祉大学名誉教授、日本小児保健協会名誉会長、日本タッチケア研究会名誉会長、小児科と小児歯科の保健検討委員会長。
- 東京慈恵会医科大学卒業後、同大学小児科教授、神奈川県立保健福祉大学教授を経て、2010年より衣笠老健施設長
- 1996年より(財)母子健康協会主催のシンポジウム総括を務める。同協会理事
- 主な著書
「小児神経と発達の診かた」(新興医学出版社)、「乳児検診の神経学的チェック法」(南山堂)、「小児の神経と発達の診かた」(新興医学出版社)など。
- 冨田 和巳(とみた かずみ)
- 昭和42年 和歌山県立医科大学 卒業
- 昭和51年 大阪大学医学部付属病院小児科に心身症外来開設
- 昭和60年 社団法人 大阪総合医学・教育研究会設立
- 昭和61年 社団法人 大阪総合医学・教育研究会付属 こども心身医療研究所開設
- 平成22年 大阪総合保育大学大学院 教授(兼務)
- 最近の著書
- 最近の著書
「映画で語ろう子どもの幸せ—心身医療の現場から家庭・社会・教育を診る」(ぱすてる書房)
- 「小児心療内科読本—わたしの考える現代の子ども」(医学書院)
- 「学校に行けない/行かない/行きたくない—不登校は恥ではないが名誉でもない」(へるす出版)その他
- 現職
- 一般社団法人・大阪総合医学・教育研究会 理事長
- 一般社団法人・大阪総合医学・教育研究会こども心身医療研究所 所長
- 大阪総合保育大学大学院教授・大阪大学医学部小児科非常勤講師
- 正高 信男(まさたか のぶお)
- 1954年大阪生まれ。大阪大学人間科学部卒。同大学院博士課程終了。
- 学術博士。アメリカ国立衛生研究所客員研究員、マックスブランク精神医学研究所研究員などを経て2003年より京都大学霊長類研究所教授。
- 専門は、認知神経科学。ヒトを含めた霊長類の社会性の発達と進化についての研究を続けている。
- 著書に「ケータイを持ったサル」「考えないヒト」(いずれも中公新書)ほか多数。
- 2010年よりNPO法人発達障害療育センターを立ち上げ、代表をつとめる。
- 今まで培った知見を用いてオリジナル教材を使った発達障害を持つ子ども学習支援を行っている。
- 水岡 路代(みずおか みちよ)
- 社会福祉法人光華園 澄川保育所 所長
- 札幌市立澄川小学校 学校評議員
- 日本タッチケア協会 会員
- 山口 創(やまぐち はじめ)
- 桜美林大学心理・教育学系准教授
- 博士(人間科学)臨床発達心理士
- 略歴
- 1996年 早稲田大学大学院人間科学研究科終了
- 1997年 早稲田大学人間総合研究センター助手
- 1999年 聖徳大学人文学部講師
- 2008年 桜美林大学心理・教育学系准教授
- 主な著書
- 「子供の『脳』は肌にある」(光文社新書)、「愛撫・人の心に触れる力」(NHKブックス)
- 「皮膚感覚の不思議—皮膚と心の身体心理学」(講談社ブルーバックス)
- 「皮膚という『脳』」(東京書籍)
- 最新刊「手の治癒力」(草思社)