自然に感染したときでも、予防接種を受けたときでも、再感染、あるいは予防接種を再び受けますと、血中抗体が前より、より速く高く上がる性質があり、これを追加免疫(Booster)効果といいます。このような性質は、生体の免疫担当細胞が出会った病原体を記憶しているからです。これを「免疫学的記憶」と言います。
感染症、生ワクチン、不活化ワクチンの抗体産生と追加免疫効果は図1に示すとおりです。
感染症で死ななければ抗体が産生されますが、再感染が無ければ抗体は段々と感染阻止レベル以下に低下してしまいます。生ワクチンでは抗体の持続は長期ですが、地域に感染症が無くなれば抗体は感染阻止レベル以下に低下し、2回接種が必要です。不活化ワクチンは2〜3回の基礎免疫作成のための接種と数年ごとの追加接種が必要です。
生ワクチンでも、不活化ワクチンでもワクチンを接種しても免疫が産生されないつきそこねが数%存在します。