母子健康協会 > ふたば > No.76/2012 > 特集 座談会 「子どもの心を育てる」 > 保育園や幼稚園の子どもたちは純真で実に可愛い、年齢を重ねるうちそうでなくなっていく、なぜそうなるのか(2)

座談会「子どもの心を育てる」

冨田むしろ保育園、幼稚園では先生(保育士)がわりに色々教えるんですよね。しかし、小学校へ行くと今度は、責任や義務を伴わない権利と自由が最も大切だと、未熟な子どもに与えすぎますから、おかしくなるのではないでしょうか?

前川保育園や幼稚園でちゃんとそういうのを教えたら、小学校へ行って大丈夫ですかね。

正高小学校でずっと教え続けないといかんのじゃないですか。

前川そこが問題だよね。ずっといかないとダメなんだよね。

正高それは教えないし、教えるものが何もないですよね。

前川小学校は知識だけですね。技術と知識、そういうことだけですよね。

山口道徳教育というのは「身体性」というのが大事だと思うのです。例えば正座して座っているとか、授業を受けるときは姿勢を正しくするとか、そういう身体性が全く抜け落ちてしまったのが今の道徳教育だと思いますね。

前川確かにそのとおりですね。

冨田小児科外来では、かなり以前から診察室で、患者さん用の(背もたれのない)丸い椅子に、背筋を伸ばしてきっちり座れる子どもが極めて少なくなっています。(姿勢をマネて)全部背骨がぐにゃっと曲がっているのです。やはり健全な精神は、健全な体に宿るで、背筋が伸びて真っ直ぐでないからだの状態は、心も真っ直ぐになっていない前兆ではないかと、私は思ってきましたが、まさに証明されています。

前川クルクル回ったりとか。

冨田座ったときにクルクル回るのは、子どもならいいのではと思いますが、医者が診察を始めようとしてもクルクル回ったり、姿勢が悪かったりは問題と思います。

水岡お集まりの時にご挨拶をするときだけは、「お母さん座り」をして、「ちゃんとおはようございますと言おうね」と言っています。継続して行っていると2歳の子でも、ご挨拶しますよと言うと、足を出していたのをちゃんと「お母さん座り」ができるんです。そして、ピンと背を伸ばしてちゃんと「おはようございます」と言うことができます。そういうことは繰り返しが大事なんだなということを、今、すごく思っています。

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