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財団法人母子健康協会 第32回シンポジウム 「保育に必要な予防接種の知識」
4.総合討論(1)

前川それでは、皆様からいただいた質問と、前もって皆様からこちらにいただいた質問があります。それをまぜながら回答いたします。

質問が多いので、今度は横井先生が手配師になって、その質問を割り振ります。それによって答えていただきますので、では、先生、始めてください。

横井総論的な話は前川先生にいただいて、質問の多かった中で、ポリオの話とインフルエンザの話は岡部先生にいただいて、ロタの部分で、一部、岡部先生がお話しになりましたが、それ以外で金額のこととかいろいろあって、ロタとほかのワクチンの細かいことに関しては、私が話します。

では、前川先生から総論的にお願いします。

前川最初に、「任意の予防接種の保護者への勧め方」というのが書いてあります。ワクチン接種をしたい人に対して勧めるというのは別問題です。いま、任意で勧める予防接種でHibと7価は公費負担が相当できています。それは、親御さんが「打ったほうがいいですか」と言ったら、既に公費で負担されている予防接種なので、「スケジュールを小児科の先生と相談してお打ちになったらいかがですか」ということです。

一番難しいのは、任意はどうでもいいと考えているお母さんがいるんですね。そういうことに関しては、任意は予防接種法にない予防接種だけれども、要するに、必要ではない予防接種はないということです。世界の国どこでも進められているので、お打ちになるのだったらお打ちになったほうがいい、というような勧め方で僕は話しています。

一番困るのが、費用を考えた相談です。病気にかかったときのお子さんの痛み方を、どのくらい重要にとるかどうかの問題だと思うのです。例えば、少なくとも慈恵の外来とかそういうところに来るお母さんは、そんなに困っている方がいらっしゃらないんですね。調布のE病院だとか、あるレベルの病院に来ている方は。ですから、そういう方には、「ファミリーレストランへ行くのを一回やめて、お子さんのためにプレゼントしたらどうですか」とか、それでごまかします。

無理に打つというのではなくて、両親の顔つきとか反応を見ながら、退いたり攻めたり、最終的には打つということを勧めています。非常に経済的なことを気にしている方もいらっしゃるし、立場によって「これは」といういい方法はないですね。あとは信頼関係に基づいてやるということしかないのではないかと思いますけれども、何かいい方法があったら、横井先生、教えてください。

横井僕は、「自分の孫に打ってるよ」と。それ以外に何もないんですね。危険率はどうとか、そういう話をしてもなかなか入っていかないので、自分の孫には打っていると。実は、Hibと肺炎球菌がまだ日本で許可されていないときに、自分は打てなかったので、知り合いの外国人向けのクリニックは、10年近く前にはもう打っていたんですね。自分はそういうところに孫を行かせて打っていたので、「ごめんね、お母さんの子どもには打てなくて」といって僕は謝っちゃうんです。それで、「接種はしたほうが得だと思うけど、あとはお父さんとよく相談して」というふうにします。本当に嫌いな人はしてくれませんから、「なるべくするほうがいいと思いますよ」と話をします。

岡部では、関連の質問がありましたから。

「予防接種をすべて拒否する親への対応をどうしましょうか」と。これは難しいですね。この方に1時間かけて説得をするならば、10人の予防接種を忘れている人に短時間でも声をかけたほうがいいですね。つまり、予防接種を本当に嫌だとおっしゃる方は、宗教的な理由があったり、自分の学問的な理由があったり、いろいろな理由があるので、それはそれでしょうがないと思うんですね。私たちが統計をとってみると、そういう方は0・1%いくかいかないぐらいで、ほとんどの受けていない方は、やることを忘れている方か、時期がずれてしまったのでそのままになってしまっているとか、お友達にアレルギーぽいのはやらない方がと言われたとか、そういう理由なので、その人に5分か10分、丁寧に説明したほうが全体から言うと受けて下さる方が多くなっていいと思います。

ただ、僕はそういう拒否というか、嫌だと言う方には、「いいですよ、やらなくても。でも、例えば保育園、幼稚園であなた一人受けなくても、あなたの子どもさんはかからないけれども、それは、周りが予防接種を受けているからあなたの子どもさんもかかりにくくなっているので、受けない人は受けた人に感謝してください」ということ、一言、添えるようにしています。先ほどエチケットいう言葉が出ていましたが、予防接種というのは、一人、二人受けなくても、別にその人がかかることはないんです。でも、それは周りの人が受けてくれているからなので、「嫌だ」と言うだけではなく、そういう人たちに「ありがとう」という意味もお伝えできるといいなというふうに思っています。

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