岡部感染症研究所の岡部と申します。
今日は、最初に前川先生がお話をして、2番目が私で、3番目が横井先生が話しますけれども、この3人の共通点、なぜこの3人がここにいるか。履歴を見ていただくとわかると思いますけれども——頭の色を見てもわかりますけれども、前川先生が一番年上で、私が2番目。私はもともと小児科医なので、前川先生が教授だったときにその下にいました。また私が病棟で一生懸命走り回っていたころに、横井先生が医学部を卒業して大学の小児科に入ってきた。要するに、一番偉い人と下が私の両側にいるということです。医学部はなかなか学年の上下がいつまでもうるさいところで、ちょっと歳が違うと相当威張っていられるんです。
ただ、この3人の中で話がときどきずれることがあるかもしれません。その場合、誰の言うことを一番聞いたらいいかというと、一番若い人のほうがいいですから、一番最後に話す人が一番正しい(笑)というふうに思っていてください。
私は、いまお話ししたように、以前は小児科の医者としてやっていましたけれども、いまは直接患者さんを診る立場ではなくて、例えば、予防接種のどういうものが必要かとか、どういうものにどういう副反応があるかとか、あるいはスケジュールもそうですけれども、そういうことなどに対してどちらかというと口先だけでやっているほうですから、これもまた本格的なところは横井先生に聞いたほうがいいと思います。ですから、質問は横井先生に集中するようにしましょう(笑)。
私の担当は予防接種のスケジュールです。【表7】を見ていただくと、これが、いま、日本で普通にできる予防接種ということになります。この予防接種の中には、法律で決められた定期接種と、法律には位置づけられていないけれどやったほうがいい予防接種、つまり任意接種、の二つに分けられています。なぜ法律で決められているかというと、日本は戦後、病気が広がっているときにみんなに予防接種と言ってもなかなかわからないし、一遍にやらなくてはいけないから、これを法律で決めて一斉にみんなにやる。これでスタートしていたわけです。みんなに一斉にやるからには、予防接種を担当する医者、看護師、保健師、あるいは場所とか、そういうものを全部、国とか自治体が面倒を見ている。予防接種というのはどうしても、何万分の、何千万分の一、何億分の一の事故は起きますけれども、そういうときに、先ほど前川先生が最後に説明した、事故に対する法律に基づいた救済ということが定期接種では決まっています。